
細谷枝里佳 大島美波
関戸紬乃 月原さき
企画 細谷枝里佳 監督 西坂來人
母はいつも嫌味ばかりで、時々ヒステリックになる。
私はずっと、そんな母が嫌いだったー。
いつからか日本では、孤立の中で子育てをする親が増えている。
母親のヒステリックはSOSのサインかもしれない。




STORY
いつもイライラして支離滅裂なことを言う母と
うまく関係を作れずに育った えりか。
やがて時は流れ、
親になった親友と再会するが...。
Event information
2025 5.31 完成披露上映会 (一般向け)長野県
企画・主演
細谷枝里佳の想い

私の母は、私が15歳の時に病気で他界しました。
母からは厳しくも愛のある叱りをたくさん受けました。
そのおかげで、自分よりも大人の方たちからはしっかりしているね、と仰っていただけることが多いです。
母から教わってきたこと、たくさん怒られたことで今の自分が在ると言っても過言ではありません。
ただ、今だからそう思えていますが、もしも今も母が生きてくれていたとして、そんな風に思えるのだろうか、と考えた時もありました。
高校生から大学生、社会人へなるための迷いの日々。
反抗期から思春期である私が、そんな母と対面していたら、喧嘩の毎日で、母と仲良く過ごせていなかったのではと思います。
周りの友達も母になり、自分も母になりたいなと思うようになり始めた頃、母親という存在を初めて自分の目線に並べて見られるようになりました。
なんであんなに怒ってるんだろう?
なんで子どもの意見を聞いてあげないんだろう?
違います。
お母さんにはそんな余裕がないからです。
ワンオペの毎日、社会から孤立し自分だけ1人取り残されたような日々、片親、職場でのストレス、家庭内でのストレス。
「毒親」「お母さんヒス構文」というものが流行る現代ですが、お母さんはなりたくてなったのでしょうか?
きっとお母さんにも「叫びたい何か」「逃げ出したい何か」があります。
それでも、向き合い続けなければいけない親子という繋がり。
少しでもお母さん、お父さん、親子の拠り所となるようなものを作りたい。
そして、そんな母親の戦いがあるということに気づいてもらいたいと思い、今回の企画を始めました。
僕は子どもの頃の一時期を“児童養護施設”で育った経験があり、
現在は作家活動と並行して児童虐待を防ぐための支援活動や
親を頼れない若者の支援、社会課題を啓発する活動などをしています。
その中で感じていることは、親自身が孤立している環境の中で
虐待が起こってしまうということ。
子育てをする親の環境を日本全体で改善しなければ、
児童虐待がなくなることはないと思う一方で、
孤立の中で子育てに奮闘している親は年々増得続けているように思えてなりません。
細谷さんのお母さんとのお話や企画のテーマを聞いた時に、
これは現代の日本社会に問うべき価値ある大切なテーマであると確信しました。
監督
西坂來人

